日本3百名山ひと筆書き~Great Traverse3~|(17)岩菅山~霧ヶ峰

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岩菅山

5月3日、今日から今春最後のスキー縦走が始まります。行程は2泊3日で、岩菅山、白砂山、佐武流山を縦走し、再び志賀高原へと帰ってきます。朝6時に出発、初日は岩菅山へ登り、野反湖まで縦走、コースタイムは15時間と長丁場です。スタートから3時間ほどで岩菅山へ登頂しました。二百名山の時は急いで岩菅山へとかけ登ったため、岩菅山の記憶はほとんどなく、今回の天候に恵まれた山頂からの眺めを焼き付けることができました。ゆっくりしたいところでしたが、県境稜線の激しいアップダウンが続くため、すぐに下山して赤石山、大高山を目指しました。この時期はまだ雪は十分にあると予想していましたが、野反湖が近づくにつれてどんどん少なくなっていき、雪がなくなりスキーを外す場面も。それでもスキーを最大限に生かし、山頂を通過せずにトラバースをすることで、コースタイムを縮めることができました。夕方、氷が張った野反湖に到着。雪がない場所でスキーを担いで登ることが増えたため、予想よりも体力の消耗が激しいです。明日は白砂山と佐武流山に縦走していく予定ですが、予定変更が必要そうです。

白砂山

5月4日、天気予報を確認し佐武流山はまた別の機会に予定に変更。野反湖から白砂山を登り、また戻ってくるだけだったので、出発を遅めにして7時半に出発しました。昨日までの雪の感じだと、スキーで白砂山へ向かうのは微妙な感じでしたが、標高が上がればきっと雪はあると信じ、スキーを担いで登りました。標高1600メートルからスキーで登りはじめましたが、雪が無いところが多く、何度も脱着を繰り返しました。堂岩山から先は森林限界となるため、きっと白砂山までの稜線は気持ちよく滑っていくことができると期待しましたが…その区間が一番雪がなかったです。結局、スキーは堂岩山にデポしてスキーブーツで山頂を目指しました。そして出発から3時間半ほどで登頂山頂からは360度、志賀高原の山々や谷川連峰、浅間山、北アルプスも見えました。ちょっとだけゆっくりして急ぎ足で下山。堂岩山直前でゴロゴロと聞こえてきました。やっぱりきたか。スキーを装着してからは、レースさながらに滑り降りました。そして、14時に下山、雷雲はそれたため、なんとか雷雨からは回避することができました。

笠ヶ岳、横手山

5月7日、9時半過ぎに熊の湯スキー場に到着。午前中に153座目の笠ヶ岳、午後に154座目の横手山へと登ります。登り始めると雲は徐々に高くなり、風と共に流れ、切れ間からは青空も見えました。高い山も例外なく春が進むこの時期に、まさかの霧氷が。どっしりとした山が多い志賀高原で、一際目立つ姿が笠ヶ岳。見るからに火山であったとわかります。ダケカンバの霧氷が太陽を浴びてはキラキラと輝きます。中腹をぐるりと東へ回り込み、峠より最後の登りへと入りました。山頂に着くと見計らったかのように、雲が晴れて一気に展望が広がりました。午後に登る横手山は笠ヶ岳以上に真っ白くなっています。笠ヶ岳からの下山は雪の状態が良かったため、北斜面を真っ直ぐ下り、1時間ほどでスキー場に到着。休む間もなく横手山へと登り始めました。シラビソやツガ、モミ、ダケカンバの高木の森を縫うように登ります。ゴールデンウィークが終わったことで、静かな横手山。横手山は大学生時代にスキーの合宿で登りましたが、雪がある時期は初めてで、全く違う景色は新鮮そのものです。1日2座は久しぶりでしたが、とても満たされる1日でした。

草津白根山

5月8日、夜明け前からスタート。日本国道最高地点からの日の出を見るために早く起きました。4時40分、山に被る雲の上から太陽が顔を出しました。宿に戻り、二度寝して、頂上ヒュッテ名物のパンの焼き上がりに合わせて、渋峠から横手山山頂へと登りました。早速焼きたてパンと珈琲を注文して、美しい北アルプスを眺めながらいただきました。居心地が良く昼過ぎまでゆっくりしてしまいました。その後、草津白根山へと向かいました。草津白根山は昨年の噴火から入山規制はレベル2のままのため、現在は登ることができません。そのため、今回は草津白根山がよく見える場所へと登り、登頂とすることにしました。渋峠から池ノ塔山へと登り、予想通り山全体がよく見えました。草津白根山を眺めながら山はどこから始まり、どこまでがこの山なのだろうと改めて考えました。今いる場所は名前こそ違うものの、草津白根山の一部です。そして、5年ぶりに万座温泉へと下山。ここも草津白根山の一部です。

四阿山

5月9日、万座温泉から四阿山へ登り嬬恋村へと下山する、百名山の時と同じルートで登ります。昨年「ぐんま県境稜線トレイル」が整備されたことにより、前回は笹に覆われていた登山道はきれいに続いているようです。土鍋山から先は緩やかに下り、下りきると緩やかに登ります。何度も弛む雪を踏み抜きながら歩き、予想以上に時間と体力を消耗していきました。前回はほとんど、四阿山からの眺めを見ることが出来ませんでしたが、今回は叶いました。北アルプスは雲の影となる部分と日差しが当たる部分が面白いコントラストを生み出しています。そして最後の急斜面を登り、5年ぶりとなる四阿山山頂に登頂。5年前と違う山頂のお社に、手を合わせ登頂させていただいたお礼を伝え、待望の景色を眺めました。3か月ぶりの群馬県の山々は、ほとんどが雪がなくなり春を迎えています。徐々に無くなる雪を名残惜しく感じながら、久しぶりの嬬恋村へと下山しました。

浅間山

5月10日、湯の丸峠へと続く車道をせっせと登り、8時に峠へ到着。峠から登山道と林道を登り下りしながら、車坂峠に10時半に到着しました。予定よりも出発時間が遅れたため、急ぎ足で外輪山の黒斑山へと登りました。登山道は踏みかためられた雪が凍りついて残っているため、ドロドロになるのを承知の上で、アイゼンを装着しました。前回は黒斑山から草すべりを下りて賽の河原から前掛山を目指しましたが、今回は外輪山を繋ぎ、Jバンドから賽の河原へと下りて山頂を目指すことにしました。初めて歩く外輪山は、どんどん変化する景色と賽の河原から見上げる外輪山の迫力が魅力的でした。少し忙しくなかったものの、縦走してよかったです。前回は前掛山へとつく頃にようやく雲が晴れて、ぎりぎり浅間山の大きさを感じられましたが、今回は終始見とれながら、無事に天狗温泉へと予定通りに下山することができました。前回は素通りした天狗温泉で、今回はゆっくり浅間山登山の疲れを癒しました。

妙義山

5月13日、158座目の妙義山縦走へと出発しました。今回のコースの中では、険しい岩場のアップダウンが繰り返され、油断が許されない鎖場が続きます。最大の難所は後半に控える60メートルの垂直の岩壁を登る鷹戻し。あまりの険しさに鷹も恐れて引き返したことからそう名付けられたそう。奥社から本格的な鎖場が始まり、一歩一歩一手一手、集中して登りました。頭では常に「ここで落ちたら…」「ここで手を離したら…」と最悪の状況になることをイメージし、その恐怖から慎重さと冷静さを保とうと努めました。前半部分の最後は最高峰の相馬岳、一時の安堵を感じながら、険しさの増す後半の金洞山を眺めました。休憩後、茨尾根を抜けて最大の難所「鷹戻し」に。最初は10メートルの垂直のハシゴ、そのあとは連なる鎖にしがみつきながら、わずかな岩の手がかりに足を乗せて、ほとんど腕力だけで登ります。汗で鎖が滑りやすくなったとき、ふと下を見ました。それまでしっかりと力が入っていたはずの脚がガタガタと震えました。まずい!ここで滑ったら間違いなく死ぬ!ふぅーと息を吐き、しっかりと力を入れて、最後の鎖を登りきりました。妙義山の険しさに、たくさんの登山者が挑まれるが、この山は十分な装備、技術、経験、判断力、集中力を兼ね備えていたとしても、足りないかもしれません。達成感よりも、生きている実感の方が強く残りました。

荒船山

5月16日、標高1200メートルの高原より出発。一番利用される内山峠からの登山道を選びました。前回とは違うルートのため、初めて登る感覚です。急ぐこともないので、気分に合わせて歩いたり走ったり足を止めたりしてじっくりと登りました。鮮やかな新緑も標高が上がると、葉は小さくなり山桜もちらほら見えました。古い火山が侵食により今の形になった荒船山は、北側が150メートルの断崖となり、「艫岩(ともいわ)」と呼ばれています。不幸なことにこの岩から下を見ようと覗きこみ、滑落する人があとをたたないそう。初めて立ってみたら、柵もロープもなく、本当に落ちやすい雰囲気でした。艫岩からは船の甲板ように平な道が続き、最高峰の星尾山へと最後の登りを進むと懐かしい山頂に。山頂はぽかぽか陽気だったこともあり、のんびりランチをしました。下山は荒船不動へと下り、佐久市内へと追い風に乗って歩きました。

美ヶ原

5月18日、5年前と同じ焼山沢ルートから、山頂を目指します。美ヶ原と聞くと高原をイメージしますが、下から見上げれば立派な山。田植えに勤しむ人たちの姿を見ながら、緩やかに続く道を歩いていきます。登山口に着くと…何と!土砂崩れのために通行止めとの張り紙が。事前の情報収集を怠ったためです。気持ちを切り替えて、直ぐに引き返し車道を使ってジグザグと美ヶ原を目指します。少しでも山道を歩きたくて、地図に載っている道を探しましたが、どこも廃道となっていて右往左往。結局道の駅までほとんど車道を歩きました。道の駅からは美ヶ原の代表的な山頂の一つ「牛伏山」に登り、広大な美ヶ原を眺め、美ヶ原はこんなにも広いんだ!と5年前は気づかなかったことに気づくことができました。思い通りにならないことが続いた1日でしたが、こんな日もたまにはあります。引きずることなく気持ちを切り替えられたのは、成長の証かな?

美ヶ原、鉢伏山

5月19日、美ヶ原の朝は夜明け前からスタート。牛伏山から日の出を待ちましたが見ることが出来ず。しかし西の空を見ると、最高峰の王ヶ頭へと沈む赤い満月を見ることができました。宿に戻り幸せの二度寝。朝食を済ませて、8時に出発し、まずは王ヶ頭へ。朝の雲はすっかり晴れて、清々しい風が美ヶ原を抜けていました。王ヶ頭の山頂からは、八ヶ岳や南アルプスから北アルプスまでずらーっと一望できました。自然と上機嫌になります。アルプス展望コースから、向かいの鉢伏山へと縦走を開始。気持ちよすぎて思わず駆け出してしまいます。茶臼山を越えて扉峠へ下りて、再び三峰山へと登りました。昼から気温が上がり、携帯していた水が足らなくなりそうに。縦走後半は残りの水を気にしながら、ドキドキの鉢伏山登頂となりました。最後は雀の涙ほどしか残っていませんでしたが、助かったのは鉢伏山への縦走路は比較的トラバースとなり、アップダウンが少なかったから。鉢伏山荘へと転がり込み、冷たい湧き水をゴクゴクと何杯も飲み干しました。最後は喉カラカラとなりましたが、終始清々しすぎる1日でした。

鉢盛山

5月23日、新島々の駅から2キロほど歩くと、登山口に続く林道の入口があります。林道は黒川沿いを進み、駅から14キロほどで登山口に。山菜などを採りながら、長い林道歩きでした。宿泊地の避難小屋からは、遠くに北アルプスの穂高連峰が見え、これまで見たことがない角度に感動。夕食は、途中で採った山菜などを即席ラーメンにチョイ足しして彩りました。
5月24日、日の出の直前に目が覚め、ヘッドライトとスマートフォンを手に外へ。霞がかった空に太陽が赤く顔を出しました。それから身支度を整えて、予定よりも30分遅れで出発。遠くからは全く雪が残っていないように見えましたが、樹林の中は雪がたんまり。緩む雪に何度も足をとられながら、出発から1時間半ほどで162座目の鉢盛山山頂に到着しました。山頂から少し西へ歩いたところからは、北アルプスや御嶽山の残雪がまだまだ多いことが見られました。澄みきった青空に今日の北アルプスもくっきりと浮かび上がっています。山頂には4つの小さな石造りの社が山頂を囲むように四方を向いています。これまでの山頂で、社や祠を見ることは珍しいことではないですが、東西南北を向いて建っているのを見るのは初めてのことです。

霧ヶ峰

5月29日、5年前ぶりの霧ヶ峰。前回は霧ヶ峰を満喫することなく、蓼科山から八ヶ岳へと走り続けた記憶があります。とういわけで、霧ヶ峰も今回初めてしっかりと歩く山となります。一度に霧ヶ峰を味わえる最適なルートを探しました。七島八島ともいわれる八島ヶ原湿原からスタート、小梨の木が満開と聞いたので木道を歩き旧御射山遺跡へ。そこから湿原を離れ、物見石を経由して草原に包まれた蝶々深山に登りました。そのまま進めば、最高峰の車山は目の前ですが、車山湿原から一度ビーナスラインへと出て、日本のグライダー発祥の地でもある霧ヶ峰スキー場を経由し、濃霧のときに使われたという鐘を鳴らして、折り返し車山肩のコロボックルヒュッテにてランチをして、出発から5時間ようやく最高峰の車山に到着しました。山頂からは雲の隙間から照らされるここまでの道のりが見えます。あっちへこっちへと蛇行しながら、前回の分も含めて、霧ヶ峰を十分に歩ききった手応えがありました。明日からは、この旅では鬼門となっている八ヶ岳連峰を縦走します。

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