登山シーズンを前に、心と体のメンテナンスは大丈夫ですか?

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感染状況が続くなか、比較的密にならずに自然のなかに身を置ける登山やキャンプなどが注目を集めています。今シーズンこそ山歩きを再開したいとお考えの方々も多いことと存じます。しかし、久しぶりに山に入るには、靴のソールは大丈夫か、雨具の性能は落ちていないか、ザックのベルト類はしっかりしているだろうかといった、登山用具のチェックはもちろん、あわせて心と体のメンテナンスも必要です。

東京都山岳連盟救助隊の「山を楽しむための十カ条」

ゴールデンウイークを直前にした4月24日(日)、jROは東京都山岳連盟救助隊による奥多摩パトロールの活動に協力しました。場所は東京近郊の人たちが登山入門の山としてよく訪れる高水三山のひとつ岩茸石山(793m)。「コロナ禍の現在、街場の混雑を避けて山を歩く人が増え、関東の低山での遭難事故も増加しています。登山の知識・体力・技術などの不足や、ルール、マナーの欠如も見られます。これらの現状を踏まえ、登山者に注意喚起のチラシを配布し、アドバイス等を行います」という趣旨で行われたこの催しでは「奥多摩の山を楽しむための十カ条」というチラシも配られました。安全確実な登山のための一般的な呼びかけに加えて、低山ならではの危険や、久しぶりの登山での注意点にも触れた内容です。

例えば「其の壱 自分の登る山を知りましょう」という項目は、目標とする山を決めたら、地図やガイドブックなどで行程や危険個所、エスケープルートなどを事前に確認をというものです。以前から通いなれた山域であっても、ここ数年頻発した豪雨被害による崩落や、登山道の損傷などもあるかも知れませんので油断はできません。

「其の参 体力に合った山を選びましょう」では、登る山はご自身が「登りたい山」ではなく、体力・知識・技術・経験などをもとに余裕をもって選びましょうと綴られています。しばらく登山や日頃の運動を休んでいる間に、体力やバランス感覚はかなり落ちてしまっていることにも配慮して、無理のない計画を立てたいものです。

最後の「其の十 日頃より体力作りをしましょう」でも、足腰の強化や、持久力を養うなどの体力作りをすることの重要性が語られ、「標高が低くても山は山です」という言葉で締めくくられています。さあ、準備万端整えて、自然に抱かれて深呼吸をしようではありませんか。

約200人の皆様に呼びかけることができた

久しぶりの登山の注意点なども盛り込んだチラシ

万全の心構えと装備で新緑の山を満喫して欲しい

久保田賢次(日本山岳救助機構 研究主幹)=文・写真

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