雲から山の天気を学ぼう|(71)雲の高さを知ろう
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空を見上げたときに、雲が浮かんでいると、「あの雲はどの位の高さなのかな?」と思うことがあります。また、雲がやる気を出して雲のてっぺんの高さが夏場だと7,000m以上、
冬場で3,000m以上に達すると雷を伴って激しい雨(雪)をもたらす、危険な積乱雲(せきらんうん 別名雷雲)になっていきます。雲の高さを読むことは、気象リスク回避のうえでも大切なのですが、その高さを特定することは難しいですよね。
そんなとき、山の高さを基準にするとうまくいくことがあります。
写真1は、ある朝、散歩をしているときに見られた雲です。頭上は厚い灰色の雲に覆われていますが、雨は降っていません。この雲は、層積雲(そうせきうん、別名うね雲)と言って、地上から2km位までの間に浮かぶ低い雲で、雲に厚みがないので、雨は降ってもぱらつく程度で済みます。
写真1 蓼科山の中腹に広がる層積雲
そこで、この雲の高さが気になりました。そのときに参考にしたのが、蓼科山の手前側に浮かぶ雲頂(雲のてっぺん)が平らな雲です。雲の高さは、空気の状態が同じ場所ではほぼ同じになります。従って、距離的に近いこの雲(雲のてっぺんが平らな雲)と頭上の暗い雲とは高さがほぼ同じだと考えられます。
この雲のてっぺん(赤い破線)は、白い丸印の山より少し上にあります。従って、この山の高さが分かれば雲の高さが分かる訳です。この山は八子ヶ峰から東に延びる尾根で標高は約1,830mです。そこで、この雲は1,900m位の高さということが分かります。それで、頭上の暗い雲のてっぺんも1,900m位の高さになります。
文、写真:猪熊隆之(株式会社ヤマテン)
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山の天気予報のご案内
ヤマテンでは、「山の天気予報」というサイトで、全国330山の山頂予報を配信しているほか、主要な18山域では、具体的な気象リスクについての警戒事項、詳細な解説付の予報を発表しています。また、首都圏や関西近郊の低山など無料でご利用いただける山を設定しているほか、大荒れ情報や「今週末のおすすめ山域(毎週木曜日発表)」、各種予想天気図、ライブカメラ、ヤマレコの最新記録、通信環境が制限される登山中にストレスなく使用できる登山モードを設定するなど、登山者視点の気象情報を提供しています。。
GWや海の日、お盆、年末年始など連休期間の前には、スペシャル予報対象の山で5日間予報または週間予報を発表します。この夏は、7月13日(水)に海の日連休期間の5日間予報、8月8日(月)にお盆期間前半の5日間予報、8月11日(木)にお盆期間後半の5日間予報を予定しています。皆様の登山計画を立てる際や、安全登山にぜひ、お役立てください。ご登録方法やサービスの詳細につきましては https://i.yamatenki.co.jp/lp/ でご確認ください。
山の天気を実地(山)で学ぶツアーのご案内
観天望気講座を書いている猪熊隆之や、ヤマテンの気象予報士が講師を務める「お天気講座」を旅行会社などで実施しています。山は雲を観察したり、学んだりする最高のフィールドです。それは、平地から雲を見ると、どうしても下から見上げてしまうので、平面的にしか見えないのに対し、山では、立体的に雲を捉えられるほか、稜線や尾根上では斜面を昇ってくる上昇気流によってできる雲を体感でき、山を挟んだ両側における雲の出き方の違いも観察できます。また、観天望気だけではなく、登山前日の天気図から押さえておくべきポイントや、荒れた天気の日は、気象リスクを減らすために登山者がおこなうべきことを解説し、安全登山の方法について学びます。
空気は目に見えませんが、雲は空気の状態を語ってくれています。雲の聞えない声に耳を傾けながら、楽しく山を登りましょう。皆様とご一緒できることを楽しみにしています。
アルパインツアー空見ハイキング
紅葉の八幡平・三ツ石山・秋田駒ヶ岳 3日間
日程:2022年9月25日(日)~27日(火)
企画・実施:株式会社アルパインツアーサービス
集合場所:JR盛岡駅 改札前 / 10:15
ツアーの詳細や申し込み方法は下記URLにてご確認ください。
http://www.alpine-tour.com/tourinfo/details.php?keyno=3561
毎日新聞旅行雲見ハイキング
秋の入笠山 空の観察とのんびりハイク2日間
日程:2022年10月29日(土)~30日(日)
企画・実施:株式会社毎日企画サービス(毎日新聞旅行)
集合場所:JR茅野駅 改札前 / 10:15
ツアーの詳細や申し込み方法は下記URLにてご確認ください。
https://www.maitabi.jp/parts/detail.php?t_type=&course_no=21064
また、過去における空見ハイキングの動画を以下に公開しております。
皆様と一緒に山を歩き、空見(そらみ)ができることを楽しみにしています。
ヤマテン動画講座(無料)配信中
新型コロナウィルス感染症予防のため、ヤマテンの「山の天気予報」サイトで見られる天気図の見方を動画配信しています。下記URLにてご視聴いただけます。
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「空の百名山」を朝日新聞・長野県版などで連載中
過去の記事を下記、URLからご覧いただけます。
http://sora100.net/
ヤマテンオリジナル「観天望気」Tシャツにピンク、グレーが加わりました!
やまどうぐレンタル屋さんが運営するヤマトリップショップで、ヤマテンオリジナルグッズを販売しております。これまでは講習会や空見登山ツアーのみでの販売でしたが、オンラインでもご購入いただけることになりました!また、茅野市内の一部カフェや、やまどうぐレンタル屋新宿店でも販売します。このたび、観天望気Tシャツにピンクとグレーが加わり、カラーバリエーションが増えました!
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ヤマテンポイントについて
ヤマテンの気象予報士が講師を務める講習会にご参加いただいた皆様にポイントを進呈させていただきます。
机上講座は1回参加につき1ポイント、空見ハイキングなど山での実地講座については1日につき3ポイント(旅行会社企画・実施のものも含みます)を進呈させていただきます。
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ヤマテン オリジナル手ぬぐい完成しました(30ポイントでプレゼント!)
雲を学べる絵葉書11枚入りセット(10ポイント溜まるとGET!)
猪熊隆之(いのくまたかゆき)
国内唯一の山岳気象専門会社ヤマテン http://yamatenki.co.jp/ の代表取締役。中央大学山岳部監督。国立登山研修所専門調査委員及び講師。カシオ「プロトレック」開発アドバイザー。チョムカンリ登頂(チベット)、エベレスト西稜(7,700m付近まで)、剣岳北方稜線冬季全山縦走などの登攀歴がある。著書に山の天気にだまされるな(山と渓谷社)、山岳気象予報士で恩返し(三五館)、山岳気象大全(山と溪谷社)。共著に山の天気リスクマネジメント(山と渓谷社)、安全登山の基礎知識(スキージャーナル)。