Zoom会議システムを利用した民間救助組織への捜索依頼のサポートを開始

  1. ホーム
  2. > お知らせ

日本山岳救助機構合同会社(jRO)では、今までも万一山岳遭難に遭遇された場合のコンサルティングや民間救助隊のご紹介を行ってきましたが、今後は直接お会いするだけではなく、Zoomの会議システムを利用したサポートを開始します。

それに合わせて下記のようなシミュレーション会議を行いました。

Ⅰ.目的

  1. Zoomにより表記会議がスムーズに行えるかを確認する
  2. 会議開催前の準備事項や会議項目を確認する
  3. シミュレーションの状景を動画編集して広報する(後日YouTubeの「jROチャンネル」にアップ予定)

Ⅱ.シュミレーション設定

  1. 予定・会議役割分担
    会議参加者:    遭難者ご家族 山野タロウ(仮名 行方不明者の兄:久保田[jRO社員])
    捜索依頼先:    中村富士美(山岳捜索チームLiSS)
    日本山岳救助機構: 若村勝昭、飯田邦幸
  2. 遭難状況設定
    遭難者(行方不明者): 山野ジロー様(53歳、男性、独身) 東京都立川市在住(高齢の両親と三人暮らし)
    捜索依頼者:      山野タロウ様(61歳) 東京都足立区在住:続柄(本人の兄)行動=12月30日の夕方に「正月の間、山に行く」(詳細不明)と言い残して簡単な登山装備(足元は長靴)で自宅を出たまま行方不明。山行届提出なし行先と思われる場所:那須山系(三斗小屋温泉)jRO会員: 所属している山岳会会員としてjRO団体加入。

    想定される行動: 毎年、大晦日に三斗小屋で開かれる越年の会に参加していた。

    正月の恒例行事なので、家族も行先は那須と考えて詳しくは聞かなかった。
    通いなれた道なので、冬でも夜間に歩いて峰の茶屋を越えることもあった。
    12月30日、立川―西那須野塩原 最終バスで登山口へ。
    数名の乗降客があったが、目撃情報なし。夜間行動を始めた可能性が高い。

    1月3日夜、帰宅しないことから家族(父親)が心配して三斗小屋温泉に電話したところ、「山野さんは、今年は来なかった」との返事。
    温泉従業員や所属山岳会員らが、関連ルートを捜索すると同時に警察にも通報。
    警察では連日の吹雪のためヘリ捜索、地上捜索もできなかった。
    また本人の携帯の位置情報は「那須山域」ではなく「福島県の沿岸部」を指していた。
    職場等の調査の結果、本人は悩みを抱えていた。山岳遭難ではない可能性も高いとの推定も生じた。

    1月6日に第1次捜索を打ち切っている。
    山仲間、山岳会も引き続き探すが、やはり捜索のプロの手を借りたい。

Ⅲ.会議シナリオドラフト

  1. 関係者紹介
    jRO:   若村、飯田
    捜索依頼者: 山野様(久保田)
    LiSS:    中村様
  2. このミーティングの目的と関係者の役割の確認
    (1)民間捜索組織と警察、消防等の公的組織との違いについて
    ***捜索救助費用の発生、専業でないことからの制約、第2次遭難の防止などを説明
    (2)jROの役割や捜索救助費用の補てん、コンサルなどを説明
    (3)ご家族へのお願い、捜索情報の提供、関係者へのコンタト了承を確認
    (4)捜索費用の負担、捜索依頼書のLiSSとの取り交わし
  3. 捜索方針と計画の立案
    LiSSの中村さんと捜索依頼者(久保田)が直接打合せ
    jRO(若村、飯田)はサゼッションとして参加<情報確認>
    ・本人情報:プロファイル、経験、装備、服装、ポートレート、PC履歴など
    ・当日の想定コース、天候、スケジュール
    ・第1次捜索の捜索状況
    ・所属山岳会との連携状況
    ・地図参照 2.5万分の一、山と高原地図(那須)で確認
    ・捜索方針
    ・捜索地域
    ・情報収集 警察、地元山岳会、地元遭対、webサイト(ヤマップ、ヤマレコ等)
    での同日登山者情報収集と呼びかけ
    ・捜索方法 地上+ドローン ポスター掲出(作成と掲出作業)の提示
    ・編成と捜索実施スケジュール
    ・今後の山野様との連絡方法、関係者(警察、地元山岳会、所属山岳会)への
    コンタクト了承取得(個人情報開示)、捜索費用の見込み
  4. 文書での捜索依頼書の取り交わし

捜索依頼書を取り交わすことになったところで、終了しました。

  • ジローへの入会お申込みはこちら
  • jRO会員ログイン
  • 好きな山の絵を額縁つきですぐに買える!山の絵つなぐサイト by jRO
  • 会員特典