救急法|捻挫
強い力が加わって関節が可動域を超えてしまったときに、靭帯や腱などが伸ばされたり一部断裂したりして起こる障害が捻挫。山登りでは、段差で足を踏 み外したり浮き石に乗ったりして足首を捻挫してしまう事故が非常に多い。ひとくちに捻挫といっても、軽度の場合は腫れや痛みも少ないが、重度となると広範 囲の腫れ、痛み、皮下出血などが生じ、歩くのもひと苦労となる。
捻挫および後述する骨折の応急手当ては、次の「RICES処理」基本だ。
- Rest(安静)
外傷に限らず、傷病の回復には安静が必要となる。 - Ice(冷却)
アイシングすることにより、発熱や腫れを抑止し、痛みを緩和する。 - Compression(圧迫)
患部を弾力包帯や三角巾、テーピングテープなどで圧迫することで内出血や腫脹を抑制する。 - Elevation(挙上)
患部の腫脹を防止するため、患部を心臓よりも高い位置に上げる。 - Support(支持・固定)
受傷部位に加わる負担を、テーピングテープや松葉杖、三角巾などで支持・固定することによって軽減する。
以上のRICES処置を行なったうえで、足首を固定したままゆっくり下山し、専門医に診察してもらう。痛みや腫れがひどい捻挫の場合は骨折との判別が難しいので、骨折と考えて応急処置をしておく。