地上の救助隊とドローンズ・アイの複合捜索!!
jROは、かねてより山岳遭難捜索におけるドローンの活用についての研究開発を(公社)東京都山岳連盟とともにすすめてまいりましたが、このたび、初めてドローンと地上救助隊による捜索が行われ、遭難者を発見することができました。
以下にご報告いたします。
2016年4月に苗場山にスノーボードで入山中に行方不明となった方の捜索
これまで、家族からの捜索依頼を受けた救助隊が、継続的に捜索を行ってきたが発見には至らず、今回”遭難予想地域の積雪がなくなっている、かつ樹と草の繁る前”のわずかなチャンスを狙い、今年6月17日~20日の予定で捜索を行うこととし、家族の承認を受けて初めてドローンによる捜索も導入することとなった。ドローン操作は、運用に優れた専門会社(アイ・ロボティクス社)に依頼。
捜索3日前に遭難者のものと思われるボードが沢から発見され警察により回収された。
遭難地域予想されていた斜面とは頂上をはさんでまったく反対側の沢であった。
捜索1日目
ボードの発見場所と遭難者が滑走前に目撃された場所を結んで捜索ラインを決め、救助隊は地上捜索チームとして沢を遡行し、ドローンチームは本沢上部から枝沢までくまなく撮影。地上捜索チームとドローンチームは合流後、モニターを確認するも残念ながら遺留物、人工的な物などは見つからず。
捜索2日目
1日目の捜索で撮影できなかった箇所に捜索範囲を絞り入山。救助隊は2班に分かれこれまでの空白地点へ集中して入渓。遡行開始後、間もなく発見。直ちに警察へ報告し、署員と県警ヘリが出動した。
2017年6月19日(月)付 新潟日報 より転載
ドローン捜索を終えて
ドローンによる捜索は、遭難者の早期発見が第一目的であるが、それが目的のすべてではないことをあらためて確信した。今回の捜索では、1日目のドローン捜索によりかなり広大な谷や斜面での発見の可能性がスピーディにかつ危険なしに消去できた。
最近の山岳捜索では、警察・防災ヘリによる救助が最も多いが、警察や消防等の第一次捜索後は、やはり地上からの救助隊による捜索である。ドローン捜索により事前に捜索範囲を狭められれば、そこに時間・労力・危険を冒す必要もなくなるはずだ。これはドローン活用の有力な第二目的である。
この成果を生かし、今後のドローン捜索の発展に大きく期待したい。
jROは今後もさらに新しい捜索技術の開発に貢献し、遭難事故のダメージの減少につとめていく。
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