【中村富士美さん書籍紹介】「おかえり」と言える、その日まで

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「自救力アップのすすめ」や「考える自救力・セルフレスキュー」 動画YouTubeなどでもjROにご協力いただいている国際山岳看護師、山岳遭難捜索チームLiSS代表の中村富士美さんがこの度、本を出版されましたのでご紹介させていただきます。

「おかえり」と言える、その日まで -山岳遭難捜索の現場から-

中村 富士美 著
新潮社
1,540円(税込)

いくら捜索しても見つからないー「せめてお別れだけでもしたい」というご家族からの捜索依頼を受けて丹念なプロファイリングで消えた登山者の足跡を辿る。
発見までの軌跡を描いた6つのエピソードが紹介されています。

推薦文

ジローの山岳遭難対策制度の16年間にわたる遭難案件の中に、毎年平均6~7件の行方不明遭難があります。それらは第一次捜索の後、民間組織による第二次捜索に移行しますが、1年以上継続する場合も多々あります。

その中のかなりの件数で、中村富士美さんを代表とする民間山岳捜索団体LiSSさんに出動をお願いし、その熱心でひたむきな捜索の結果、ご家族のもとに還ることができた会員の方を多く数えます。

私もこれまでに中村富士美さんの捜索にも同行させていただいたり、またはご家族・ご親族の皆さんとの会合にご一緒させていただきました。その中で中村さんの捜索に対する真摯な姿勢、ご家族への思いやりに満ちたヒヤリング、そして何よりも遭難者自身を1日でも早くご家族のもとに還したいという熱い思いに強く心を打たれました。

本書では、遭難捜索は決して山の中でのハードな捜索行だけではなく、捜索依頼を受けてからの遭難者のプロファイリングから始まり、ご家族へのインタビューでの遭難者の行動パターン、過去の山行経験、残された装備、PCの閲覧履歴、山域の特異性・季節・当日の天候など多数の状況から推定して遭難箇所を絞り込んでいく過程が紹介されています。

その道程そのものにも感銘を受けますが、事前調査から実際の捜索、そして発見され、ご家族のもとへ還ってからのケアの中に一貫して流れているヒューマニティに強く心を打たれます。

私はかねて、このLiSS代表中村富士美さんの活動を登山を愛する人々にひろく知っていただき、“山岳遭難、なかでも行方不明遭難”に対する知識と備えを高めていただくことはできないかと願っていましたが、このたび中村富士美さんの著作が刊行されその機会ができたことになによりも喜びを感じます。

山を愛する方すべてにご一読いただきたい一書です。

    AUTHENTIC JAPAN株式会社 取締役 若村 勝昭
(公益社団法人日本山岳会多摩支部 会員、公益社団法人東京都山岳連盟 参与、一般社団法人日本山岳検定協会 代表)

 

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